uBITX V6の素(購入して組み立てただけ)ではCWに特化したフィルタが無く、バンド混雑時の
CW運用は厳しいものがある。uBITX本体にフィルタを追加することは難しそうなため、外部接続
としてAFフィルタ(LPF)(以下、「本機」)を付けることにした。
方式はスイッチドキャパシタ(SCF)を利用したローパスフィルタ(LPF)。追加でトーンエン
コーダを使用してCW周波数を検出できるものとした。移動も考慮して電源は単三電池4本です。
主要部品は入手性から秋月で購入できるものにした。但し、バリキャップはネットで入手。
(次は主要部品の2024.05時点の価格)
MAX294:8次、ローバス、エプリティックスイッチトキャパシタ・フィルタ \630
NJM567:トーンエンコーダ \50
LM358 :デュアルオペアンプ \30
1SV149:バリキャップ \100
※BPFや他の部品の仕様も検討したが、お金/時間/労力(簡単)の兼ね合いからSCFのLPFに
落ち着く。手持ち部品も多く利用しているが、HPF周波数を決めるCとRは高精度が必要
なので新たに購入。部品代は、SCFがちょっと高価¥630(2024.05)だが、全体としては
2千円位かと思う。
尚、ケースは、お菓子のブリキ箱を利用した。
※厳密に周波数特性を追い込んではいません。当然ですが、メーカー製リグに装備されて
いるCWフィルタには及びませんが、それなりです。
1)フィルタ部
3段構成です。VRでLPF周波数を可変します。当然ですが、Low側の低域の周波数は除去でき
ません。わずらわしいHigh側の高域の周波数は除去できます。
入力 AF-In >—CR:LPF—SCF(MAX294)—HPF(LM358)—>出力 AF-Out
CR:LPFはエリアシング防止の10KHzLPF、SCFはバリキャップ可変(VRで容量を可変)のLPF、
HPFは90KHzHPF兼ライン出力バッファです。
※外部にSPを使用する場合は、SP用アンプが別途必要です。
※当初、SCF(MAX294)の仕様の理解不足で全く動きませんでした。SCFは中点電位が必要
でした。中電電位は電源を単純に抵抗で分圧して接続しています。
2)トーンエンコーダ部
2段構成です。希望のトーン(CW周波数)を検出するとLEDが点灯します。トーン周波数は
VRで可変します。
入力 AF-In >—TRバッファ—トーンエンコーダ(NJM567)—LED
TR(トランジスタ)2SC1815は前段バッファです。トーンエンコーダはVRにより検出するCW周波数が可変
できます。
3)動作確認
PCからAF信号(SP出力)を本機に入力し、AF信号の周波数を変えながら、本機を調整し本機出力を
確認します。同時にLEDの点灯も確認します。
AF信号の周波数によって、バリキャップのVR調整により聞こえなくなればOKです。AF信号の出力が
低い場合は、AF-Out VRで調整します。
AF信号の周波数によって、トーン周波数VR調整によりLEDが点灯すればOKです。AF信号レベルが
低い場合、トーンレベルVRで調整します。
4)実利用
uBITXに接続して実際に使用してみました。
SCF使用のLPFは意外と効果があります。uBITXのフィルタは帯域が広いため、本機を使用すると、
ある程度の混信がおさえられます。uBITXはAFボリュームを上げた時にヒスノイズ(高域側ノイズ)が
発生する傾向にありますが、このノイズもおせられ聞きやすくなります。
回路図です。製作する場合は自己責任でお願いします。
以上